医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Living with type 2 diabetes: A social cognitive perspective on adherence (Patient Educ Couns 2024)

Mihalko SL, Cox P, Danhauer SC, Kirk JK, Black HL, Shumaker SA. Living with type 2 diabetes: A social cognitive perspective on adherence. Patient Educ Couns. 2024;124:108275.

背景:この混合法研究では、2型糖尿病(T2DM)患者における転帰への期待、自己効力感、セルフケア行動の関係を検討する。また、これらの行動の動機となる個人的価値観について、詳細なインタビューを通して検討する。

方法:成人T2DM患者(n = 108, M年齢=57歳, 女性58%, 黒人48%)が質問票に回答し、laddering techniqueを用いた詳細な面接に参加した。

結果:自己効力感、アウトカムへの期待、4つのセルフケア行動(身体活動、食事の選択、血糖モニタリング、薬の使用)の関係を分析するために、ordinary least squares regression models を用いた。その結果、自己効力感は食事と身体活動と有意かつ正の相関があることが示された。血糖検査に対するアウトカム期待および自己効力感は、いずれも自己報告によるモニタリングと有意かつ正の相関を示した。しかし、アウトカム期待も自己効力感も薬物使用とは関連していない。詳細なインタビューにより、セルフケア行動に関連する3つの共通の価値観が明らかになった:健康と長寿の維持、自制心・達成感・自尊心といった主体的価値観、帰属意識

結論:本研究は、糖尿病の自己管理の複雑さに光をあて、個人の価値観、行動戦略、コントロール認知がこの関係に及ぼす影響についての洞察を提供し、表明された価値観の相違点と共通点の両方を明らかにした。個人の価値観が糖尿病のセルフケア行動にどのように影響するかを理解することで、診療者は患者が自分の価値観と糖尿病とともに生きる課題との間に有意義なつながりを確立できるよう支援することができる。