医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Uncertainty tolerance among primary care physicians: Relationship to shared decision making-related perceptions, practices, and physician characteristics (Patient Educ Couns 2024)

Valentine KD, Leavitt L, Sepucha KR, Atlas SJ, Simmons L, Siegel L, Richter JM, Han PKJ. Uncertainty tolerance among primary care physicians: Relationship to shared decision making-related perceptions, practices, and physician characteristics. Patient Educ Couns. 2024;123:108232. Epub ahead of print.

背景:臨床ケアにおける医師の不確実性耐性(UT)が、共有意思決定(SDM)に関する医師の個人的特性、認識、実践とどのように関連しているかを理解する。

方法:大腸がん検診に関するSDMトレーニングの試験の一環として、プライマリケア医師(N = 67)は、診療における不確実性耐性(不確実性に対する医師の反応尺度(PRUS-A)の不安下位尺度)およびSDM自己効力感(SDMスキルに対する自信)の測定に回答した。患者(N = 466)は、診察後にSDMの測定(SDMプロセス尺度)を行った。二変量回帰分析およびマルチレベル回帰分析により関係を検討した。

結果:UTの高さは、医師の年齢(p = 0.01)および診療年数(p = 0.015)と関連していたが、性別や人種とは関連していなかった。UTの高さはSDM自己効力感の高さ(p < 0.001)と関連していたが、患者が報告したSDMとは関連していなかった。

結論:年齢と診療経験が高いほど医師のUTが高いことが予測され、トレーニングによってUTが改善される可能性が示唆された。一方、UTはSDMに対する自信の高さと関連しており、UTの改善がSDMを改善する可能性が示唆された。しかしながら、UTは患者が報告したSDMとは関連しておらず、これらの関係についてさらなる研究が必要であることが示された。医師のUTを高めることを目的とした訓練介入を開発し実施することは、臨床ケアにおけるSDMを促進する有望な方法である可能性がある。