医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Shared decision making, patient-centered communication and patient satisfaction - A cross-sectional analysis (Patient Educ Couns 2022)

Siebinga VY, Driever EM, Stiggelbout AM, Brand PLP. Shared decision making, patient-centered communication and patient satisfaction - A cross-sectional analysis. Patient Educ Couns. 2022 Mar 17:S0738-3991(22)00127-6. Epub ahead of print.

背景:患者を積極的に意思決定に参加させるためには、共有意思決定(SDM)と患者中心のコミュニケーション(PCC)の統合が必要である。本研究では、共有意思決定と患者中心のコミュニケーションの関係を検討した。

方法:18領域41名の専門科による82名の外来診療をビデオ撮影し、共有意思決定の程度をOPTION5スコアで、患者中心のコミュニケーションをFour Habits Coding Scheme(4HCS)で評価し、SDMおよびPCCの高・低度(中央値以上または以下)、ならびに患者満足度との関連について分析した。

結果:先行研究との比較では、4HCSのスコアは同等で、OPTION5のスコアは相対的に低いことが確認された。両者の相関は弱かった(r = 0.29, p = 0.009)。38%の診察では、高いSDMスコアと低いPCCスコアの組み合わせ、またはその逆の組み合わせが観察された。高いSDMと高いPCCの組み合わせは、23%の診察で観察され、有意に高い患者満足度スコアと関連していた。

結論:共有意思決定と患者中心のコミュニケーションは同義ではなく、必ずしも共存するものではない。共有意思決定と患者中心のコミュニケーションの統合的なトレーニングの価値をさらに検討する必要がある。