医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

When the wheels fall off - Medical students' experiences of interrupted academic progression (Med Teach 2022)

Carr SE, Wearn A, Canny BJ, Carmody D, Balmer D, Celenza A, Diug B, Leech M, Wilkinson TJ. When the wheels fall off - Medical students' experiences of interrupted academic progression. Med Teach. 2022 Mar 28:1-8. Epub ahead of print.

背景:医学生が学業の進展に大きな支障をきたした場合、どのように考えるかについて発表された研究は限られている。本研究は、学業進行の難しさの要因を明らかにし、医学生がどのようにうまく対応しているかを理解することを目的とした。

方法:この解釈学的現象学的研究は、大幅な学業中断を経験した最終学年の医学生38人への詳細なインタビューから得られた知見を報告するものである。

結果:2つの主要なテーマは、中断の要因と中断の経験であった。中断の要因としては、仕事量、医学の学習、医学への動機、孤立、ローカル文化への適応、健康、外的要因などが挙げられた。中断の経験では、そのプロセスを通じた段階的な取り組みに焦点が当てられた。「何が起こったか」「どう感じたか」「失敗を管理する」「失敗を受け入れる」「何らかの変化を起こす」が挙げられた

結論:各要因は、参加者が中断に対してどのように反応し、対応したかに影響を与えた。中断の原因にかかわらず、ほとんどの人が、時間の長短はあるにせよ、同等のプロセスで反応し、対応した。これらの反応と応答は、変動している状態であった。成功するために、多くの人が、中断に直接反応して、動機を外的から内的にシフトさせ、その結果、学習行動を変化させたと述べている。
学生の学業進行の中断を克服する過程には、インターバル・ディブリーフィング、修復的学業支援、個人的能力開発支援のモデルが有効であろう。このプロセスを促進することで、学生は、乗り越えられない感情的な障壁としてではなく、建設的に中断に直面することができるようになる可能性がある。メディカルスクールは、これらの知見を活用して、重大な学業中断の数を減らすためにさらなる支援戦略を実施することができる。