医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Using family-centered communication to optimize patient-provider-companion encounters about changing to biosimilars: A randomized controlled trial (Patient Educ Couns 2022)

Gasteiger C, Perera A, Yielder R, Scholz U, Dalbeth N, Petrie KJ. Using family-centered communication to optimize patient-provider-companion encounters about changing to biosimilars: A randomized controlled trial. Patient Educ Couns. 2022 Nov 9:S0738-3991(22)00831-X. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、家族中心のコミュニケーションが意思決定に影響を与え、患者・同伴者・医療者間のコンサルテーションを最適化するかどうかを検討することである。

方法:炎症性関節炎患者または同伴者役の参加者108名を対象に、並行2群間ランダム化比較試験を実施した。ペアで模擬診察に参加し、医師が家族中心または患者のみのコミュニケーションでバイオ原薬からバイオシミラーへの変更について説明した。参加者は、移行への意欲、リスク認識、理解、社会的支援を報告し、患者知覚尺度 (Patient Perception Scale)を含む様々な尺度を記入した。インタビューは、相談に対する認識の理解に役立った。

結果:家族中心のコミュニケーションは、患者のみのコミュニケーションと比較して、移行意思や認知的リスク認知に影響を与えなかった。しかし,感情的リスク認知(p = 0.047,Cohenのd = 0.55)およびコミュニケーションに対する満足度(p = 0.015,Cohenのd = 0.71)は改善された。説明が安心できるものであったと感じることは、心配の軽減と関連していた(p = 0.004)。感情的なサポートを受けること(p = 0.014)および同伴者の質問が少ないこと(p = 0.046)は、より高い想起と関連した。介入は、同伴者の関与(p < 0.001、Cohenのd = 1.23)およびサポート(p = 0.002、Cohenのd = 0.86)を向上させた。インタビューでは、励ますような質問、包括的なボディランゲージ、そして仲間を認めることが関与を促進することが示された。

結論:家族中心のコミュニケーションは、患者-同伴者-医療従事者の出会いを増大させるが、治療法の変更の意思には影響しない。バイオシミラーについて話し合う際、医師は家族を中心としたコミュニケーションを用いることができるが、理解を深めるために安心感を与え、感情的なサポートを促し、重要なポイントを要約する必要がある。