医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Experiences of care coordination among older adults in the United States: Evidence from the Health and Retirement Study (Patient Educ Couns 2022)

Eastman MR, Kalesnikava VA, Mezuk B. Experiences of care coordination among older adults in the United States: Evidence from the Health and Retirement Study. Patient Educ Couns. 2022 Mar 17:S0738-3991(22)00126-4. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、社会人口学的および健康上の要因によるケアコーディネートに関する患者の経験および認知の差異を検討することであった。

方法:データは2016年Health and Retirement Study(N = 1, 216)から得たものである。連携の3つの領域について評価した。1)認識(例:プロバイダー間のコミュニケーションに対する患者の印象)、2)有形サポート(例:ケアコーディネーターとの面談、予約への同行)、3)技術サポート(例:「患者ポータル」の使用)。ロジスティック回帰を用いて、各領域の頻度を定量化し、人種的マイノリティの状況、社会経済的状況、健康状態による差異を検討した。

結果:高齢者の約42%がケアコーディネートが不十分であると感じており、そのうち14.8%は異なる医療従事者から一見矛盾するようなアドバイスを受けたと報告した。正式なケアコーディネーターに会ったことがあるのは3分の1のみで、40%が時々予約に同伴していた。人種的マイノリティは技術的支援を受けにくいものの、それを利用する傾向は強かった。より良い連携が認識されていることは、より高いケア満足度と関連していた(オッズ比:1.43、95%CI:1.27-1.61)。

結論:高齢者のケア調整には重要なギャップが残っている。医療提供者は、これらのギャップに公平に対処するために、ケア連携に関する患者の認識を評価することを考慮すべきである。