医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"Two Years Later I'm Still Just as Angry": A Focus Group Study of Emergency and Internal Medicine Physicians on Disrespectful Communication (Teach Learn Med 2023)

Kanjee Z, Beltran CP, Smith CC, Tibbles CD, Lewis JJ, Sullivan AM. "Two Years Later I'm Still Just as Angry": A Focus Group Study of Emergency and Internal Medicine Physicians on Disrespectful Communication. Teach Learn Med. 2023 Dec 2:1-11. Epub ahead of print.

背景:診療科を超えた医師間の無礼な振る舞い (disrespectful behavior)は、バーンアウト、学習環境の悪化、患者の転帰に悪影響を及ぼす。

方法:このフォーカスグループ研究では、患者引き継ぎ時に救急科と内科の医師(レジデントと教員)間で認識される無礼なコミュニケーションの性質と背景を明らかにすることを目的とした。大規模な学術医療センターで2019年5月から12月にかけて、24名のレジデントと11名の教員から得たフォーカスグループデータを、構成主義的アプローチと内容分析のフレームワーク法を用いて実施・分析した。

結果:フォーカス・グループの結果を、無礼なコミュニケーションに関する4つの包括的なカテゴリーに整理した:特徴および背景(各部門のメンバーが無礼と解釈した具体的な言い回し、聞き手の関与/非関与の影響、対面でないコミュニケーションが誤解や対立を招く傾向など)、研修レベルによる違い(参加者の研修レベルが異なると、無礼なコミュニケーションが起こりやすい)、無礼と認識される対応者個人の傾向、無礼なコミュニケーションが個人および環境に及ぼす否定的//長期的影響(回避や患者ケアへの影響など)。

結論:参加者は、診療科間のコミュニケーションについて肯定的な記述が多いなかで、無礼と思われる行動のエピソードについて記述しており、それはしばしば学習環境や臨床業務の質に長期にわたる否定的な影響を及ぼしていた。このような相互作用のプロセスと結果を示す概念モデルを作成した。無礼なコミュニケーションを減らすために、病院全体に適用可能ないくつかの提言を行い、患者ケア、部門間連携、研修生と教員のQOLを改善する可能性がある。