医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A scoping review of the questionnaires used for the assessment of the perception of undergraduate students of the learning environment in healthcare professions education programs (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2024)

Mukhalalati B, Yakti O, Elshami S. A scoping review of the questionnaires used for the assessment of the perception of undergraduate students of the learning environment in healthcare professions education programs. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2024 Apr 29. Epub ahead of print.

背景:学習環境(LE)には、学生の学習経験に影響を与える社会的相互作用、組織文化、構造、物理的・ バーチャル空間が含まれる。医療専門職の学生(HCPS)のLEに対する認知を調査した研究は数多くあるが、利用された質問票の有効性の根拠は不明確なままである。本スコーピング・レビューの目的は、学部生HCPSのLEに対する知覚を調査するために使用される質問票を特定し、その妥当性の根拠を評価することである。

方法:以下の5つの主要概念を使用した: (1) 高等教育、(2) アンケート、(3) LE、(4) 認識、(5) 医療専門職(HP)。PubMed、ERIC、ProQuest、及び Cochraneの各データベースから、LE を検討するための質問票を開発または適応した研究を検索した。このレビューでは、妥当性エビデンスに関する APERA 基準と、Beckman ら(J Gen Intern Med 20:1159-1164, 2005)による5つのカテゴリー(内容、内部構造、回答プロセス、他の変数との関係、結果)に従った解釈を採用した。

結果:このレビューに含まれた41の質問票のうち、分析の結果、内容と内部構造のカテゴリーに重点が置かれていることが明らかになった。しかし、その他の変数、結果、回答プロセスのカテゴリーに関する情報を提供している質問票は、全体の10%未満であった。確認された質問票のほとんどは、医学と看護学の分野で広くカバーされており、次いで歯科学であった。

結論:このレビューでは、異なるHPにまたがる学生のLEに対する認識を調査するために利用されている多様な質問紙が特定された。既存の質問票の有効性の根拠が限定的であることを考慮すると、今後の研究は、心理測定尺度の開発と検証を優先すべきである。このことは、最終的に、HP教育プログラムにおけるLEの健全かつエビデンスに基づく質向上策を確保することになる。