医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"I felt like a little kind of jolt of energy in my chest": embodiment in learning in continuing professional development for general practitioners (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2024)

Vestergaard SK, Risor T. "I felt like a little kind of jolt of energy in my chest": embodiment in learning in continuing professional development for general practitioners. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2024 Apr 29. Epub ahead of print.

背景:医学教育における学習は、広範な学習理論を包含しており、最近、医療専門家のcontinuing professional development (CPD)において、embodiment perspectiveが現れはじめている。しかし、CPDにおける学習における身体性の経験に関する実証的研究は、特に総合診療の実践においては、ほとんど行われていない。本研究では、身体、行動、感情、認知、周囲や他者との相互作用といった身体性の要素の現れ方を研究し、学習における身体性の説明構造を構築することで、CPD中の総合診療医の学習経験を身体性の観点から探求することを目的とした。

方法:我々は、身体化された情動と相互統合の概念を用いて、身体化についての理解を組みたてた。デンマーク人総合診療医4名とカナダ人総合診療医3名にインタビューを行い、具体的な学習経験についての洞察を得た。インタビューと分析は、ミクロ現象学に触発され、複雑適応システム・アプローチで補強された。

結果:我々は、2つの入口(不調和と平凡)、8つの構成要素からなる学習段階、2つの出口(調和と継続的不均衡)からなる終了段階からなる学習の説明構造を構築した。学習フェーズのすべての構成要素(コミュニティ、プライド、検証、リハーサル、実行可能性、マインドスペース、雰囲気、未来への準備)は、身体化された情動と相互の取り込みの特徴を共有し、多方向かつ非線形な方法で相互作用した。

結論:我々は、既存の学習理論に身体化の視点を統合することについて議論し、総合診療医のためのCPDはそうすることで利益を得るだろうと主張する。