医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Development and Validation of a Novel Instrument to Measure the Community Well-Being of Residency Programs (Acad Med 2022)

Vermette D, Reardon JL, Israel HP, Zhen S, Windish DM, White MA. Development and Validation of a Novel Instrument to Measure the Community Well-Being of Residency Programs. Acad Med. 2022 Sep 20. Epub ahead of print.

背景:レジデンシー・コミュニティ・ウェルビーイング(Residency Community Well-Being ; RCWB)とは、研修プログラムの主観的なコミュニティwell-beingを測定するための新しい尺度であり、その開発と検証を行い、人口統計グループ間のRCWBスコアの違いを探る。

方法:文献調査の後、研修プログラムのコミュニティwell-beingを測定するための最初の質問票を作成した。項目はパイロットテストされ、アンケートはレジデント教育、調査デザイン、社会学の分野の専門家によってレビューされた。アンケートは、ソーシャルメディア、リストサーブ、研修プログラムのリーダーへの個人的な電子メールなどを用いた便宜的・スノーボールサンプリングによって募集した18の専門分野の米国レジデントを対象に、2021年3月から7月にかけて電子的に実施した。基準関連妥当性を検討するために、以前に検証された3つの尺度(the Professional Fulfillment Index, the Brief Inventory of Thriving, a single-item burnout measure)も配布した。データは記述統計で分析され、項目を減らし下位尺度を特定するために、直接オブリミン回転を用いた主成分分析で探索的因子分析が行われた。

結果:調査票を開いて開始した366名のうち、219名が調査を完了した(完了率:59.8%)。回答者の多くは、女性(133名,60.7%),26-30歳(132名,60.3%),白人(149名,68.0%)であった。サブスケールは、プログラムのリーダーシップ・構造・実践(PLSP)、レジデントの対人関係(RIR)、レジデントの虐待(RM)の3つであり、18項目から構成されていた。Cronbach's alphasは、PLSPが0.96、RIRが0.92、RMが0.82、RCWB全体が0.95であった。RCWBスコアは、職業的充実感(r = .52, P < .001)および繁栄感(r = .45, P < .001)と正の相関があり、バーンアウト(r = -.39, P < .001)と逆相関していた。

結論:RCWBは、強い内部一貫性と内容的・基準的妥当性を示し、研修プログラムの主観的コミュニティwell-beingは、主にプログラムのリーダーシップの質、支持的対人関係、虐待の欠如で構成されることを示した。