医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The Relationship between Burnout and Sense of School Belonging among the Resident Physicians in the Standardization Training in China (Med Educ Online 2024)

Feng S, Li X, Huang Z, Jiang C, Cheng X, Ma Y, Zhang F, Meng X. The Relationship between Burnout and Sense of School Belonging among the Resident Physicians in the Standardization Training in China. Med Educ Online. 2024;29:2343515.

背景:卒後医学教育において重要な位置を占める33ヶ月のレジデンシートレーニングは、バーンアウト(感情的消耗、非人格化、個人的達成感の低下)を誘発するストレスの多い期間となりうる。既存の文献では、帰属意識 (sense of belonging)がレジデントのウェルビーイングに有益である可能性が見出されているにもかかわらず、学校への帰属意識バーンアウトにどのように影響するのか、またその潜在的な調整因子は不明なままであった。この疑問を解決するために、中国の医師標準化レジデンシープログラムのレジデントを対象に横断的調査を実施した。

方法:異なる専攻(臨床医学、臨床口腔医学、Chinese medicine)と学年から700名(N = 700)のレジデントが調査に参加した。レジデントの学校への帰属意識はthe psychological sense of school membership scale(PSSM, mean = 45.12, SD = 11.14)で評価した。バーンアウトは、感情的消耗、非人格化、個人的達成感の3つのサブスケールを含む22項目のMaslach Burnout Inventory(MBI-HSS, mean = 65.80, SD = 15.89)により測定した。

結果:80%以上のレジデントが、レジデンシートレーニング中に中等度または高度の感情的疲労と個人的達成感の低下を報告した。一方、学校への帰属意識が高いほど、全体的なバーンアウトの低下(B = -0.722, p < 0.001)、感情的疲労の軽減、非人格化の軽減、個人的達成感の向上と関連していた。特に、帰属意識の恩恵は、女性やレジデンシー早期の人ほど顕著であった。帰属意識と専攻分野との間に交互作用は認められなかったが、Chinese medicine出身者は総合的なバーンアウトと3つの次元においてより低いスコアを報告した。

結論:バーンアウトはレジデントの間で広くみられる問題であり、本研究の結果、学校への帰属意識バーンアウトに対する保護効果を持つことが確認された。したがって、レジデントの学校への帰属意識と社会的つながりを育むための支援サービスを、特に女性レジデントやレジデンシー早期の人を対象に開発する必要がある。