医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The Association of Master Adaptive Learning With Less Burnout and More Resilience in Obstetrics and Gynecology Residents (Acad Med 2024)

Santen SA, Ginzburg SB, Pusic MV, Richardson J, Banks E, George KE, Hammoud MM, Wolff M, Morgan HK. The Association of Master Adaptive Learning With Less Burnout and More Resilience in Obstetrics and Gynecology Residents. Acad Med. 2024 Apr 5. Epub ahead of print.

背景:医学教育は、学習者が複雑で進化する仕事に対応できるよう準備すべきであり、継続的な自己調整学習のためのメタ学習スキルであるMaster Adaptive Learner(MAL)モデルを含むことが理想的である。本研究では、産婦人科レジデントのMAL属性を測定し、バーンアウトレジリエンスとの関連を評価し、学習課題とMALとの関連を検討することを目的とした。

方法:産婦人科レジデントは2022年1月のin-training examinationで電子的に調査された。調査内容は、人口統計学的情報、2項目のMaslach Burnout Inventory、2項目のConnor-Davidson Resilience Scale、4項目のMAL項目(例:「新しいことを学ぶ機会を毎回得ている」)、および研修と学習経験に関する質問であった。

結果:5,761人のレジデントのうち、3,741人(65%)が対象となった。3,386人中1,478人(39%)がバーンアウトを示した(感情的消耗または脱人格化の項目でバーンアウト陽性と回答)。Connor-Davidsonレジリエンス尺度の平均(SD)は8点満点中6.4点(1.2点)、MAL得点の平均(SD)は20点満点中16.3点(2.8点)であった。MALスコアはバーンアウトと逆相関しており、バーンアウトのあるレジデントは平均[SD]MALスコア、16.5[2.4])、ないレジデントは平均[SD]MALスコア、16.0[2.3])だった(P < 0.001)。高いMAL得点は高いレジリエンスと関連していた(R = 0.29、P < 0.001)。MAL得点が高いことは、「レジデンシー1年目の準備は十分であったと思う」(R = 0.19、P < 0.001)という記述や、レジデンシー終了後にサブスペシャリティ研修を修了する計画(「はい」の平均[SD]は16.6[2.4]、「いいえ」は16.2[2.4]、P < 0.001)と関連していた。

結論:MALの得点が高いレジデントほどレジリエンスが高く、バーンアウトが少なかった。レジリエンスが低く、バーンアウトのレジデントがMALのステータスを達成する主体性を持っていなかったのか、あるいはMALの行動がレジリエンスの貯水池を満たし、バーンアウトから守っていたのかは不明である。