医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

'We're like Spider-Man; with great power comes great responsibility': Coaches' experiences supporting struggling medical students (Med Teach 2024)

Elster MJ, Parsons AS, Collins S, Gusic ME, Hauer KE. 'We're like Spider-Man; with great power comes great responsibility': Coaches' experiences supporting struggling medical students. Med Teach. 2024 Apr 8:1-9. Epub ahead of print.

背景:医学生は、学業面でも非学業面でも様々な困難を経験する。コーチングは学習者を支援するための貴重な戦略であるが、コーチは困難な学習者と働くことは負担が大きいと述べている。変容的学習理論(TLT)は、教育者が困難な経験からどのように成長し、レジリエンスを構築するかについての洞察を提供する。本研究では、困難な生徒の支援を通して、コーチが教育者としてどのように進化していくのかを探る。

方法:解釈主義的パラダイムに基づくこの質的研究では、2つの教育機関における縦断的な医学生コーチのインタビューを用いた。インタビューでは、TLTを感化概念として用い、コーチのstruggling learnersへのコーチング経験を探った。テーマ分析を行った。

結果:15人のコーチにインタビューを行った。コーチは、しばしばコーチを驚かせるような多面的な葛藤を通して学生をサポートしていることを説明した。3つのテーマがコーチの経験を特徴づけていた:個人的責任、感情的反応、個人的学習。コーチは学習者の成功に大きな個人的責任を負っていた。この重荷が感情的に感じられ、親としての本能や学習者との境界を保つことへの疑問を抱く人もいた。コーチはコーチングのアプローチを進化させ、偏見に挑戦し、スキルを身につけた。コーチは、学習者の視点をよりよく理解し、生徒をサポートするためのリソースを活用することを学んだ。

結論:学習者の葛藤をナビゲートすることで、教育者は自己効力感を獲得し、学習者の視点を理解することを学び、コーチングのアプローチを進化させることで、時間の経過とともに個人的な感情的負担を軽減することができる。