医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Unveiling the hidden struggle of healthcare students as second victims through a systematic review (BMC Med Educ 2024)

Mira JJ, Matarredona V, Tella S, Sousa P, Ribeiro Neves V, Strametz R, López-Pineda A. Unveiling the hidden struggle of healthcare students as second victims through a systematic review. BMC Med Educ. 2024;24:378.

背景:医療に携わる学生が有害事象を目撃、関与、または巻き込まれた場合、しばしば第二の被害者体験につながり、精神的なウェルビーイングに影響を与え、将来の職業実践に影響を及ぼす。本研究の目的は、医療分野の学生がクラークシップや研修中に患者に危害を及ぼすミスに巻き込まれたり目撃したりした感情的体験に対処するための介入の取り組み、方法、結果について述べることである。

方法:このシステマティックレビューはPRISMAガイドラインに従い、MEDLINE, EMBASE, SCOPUS, APS PsycInfoの各データベースから抽出した、2011年から2023年までに様々な言語で発表された18件の研究を統合したものである。研究課題の構築と適格基準の策定にはPICO法を用いた。選択プロセスはRayyanを通じて行われた。タイトルと抄録は2人の著者が独立にスクリーニングした。Joanna Briggs Instituteの批判的評価ツールを用いて、対象研究のバイアスリスクを評価した。

結果:合計1354件の研究が検索され、18件が適格基準を満たした。ほとんどの研究は米国で実施されたものであった。ミスを防ぐ方法の学習やレジリエンス訓練とともに、さまざまな教育的介入が記述されていた。この経験が学生の人間的成長に寄与したケースもあった。有害な出来事の後における心理的支援も散見された。

結論:医療系学生のレジリエンスを確保することは、彼らのトレーニングの基本的な部分であるべきである。クラークシップ期間中に第二の犠牲者現象に対処できるよう学生を訓練するための介入は乏しく、散在しており、何が最も効果的で何が効果的でないかを特定する決定的な結果は得られていない。