Kang YJ, Lin Y, Rho J, Ihm J, Kim DH. The hidden hurdles of clinical clerkship: unraveling the types and distribution of professionalism dilemmas among South Korean medical students. BMC Med Educ. 2024;24:150.
背景:医学生の医療プロフェッショナリズムを向上させるためには、彼らが様々な場面で直面するジレンマを理解することが不可欠である。本研究では、韓国の医学生がクリニカル・クラークシップ中に遭遇するジレンマの種類と分布を調査した。そして、これらのジレンマをこれまでのジレンマフレームワークと比較し、1つの臨床場面で2つのジレンマテーマが出現する「複雑性ジレンマ (complexity dilemmas)」の種類と分布を明らかにした。
方法:研究者らは、クリニカル・クラークシップを修了した医学部3年生106名を対象にグループディスカッションを企画し、記録した。これらの学生は、クラークシップ中に遭遇したジレンマに焦点を当て、課題の一環としてディスカッションに参加した。データ分析と可視化のために、研究者らはMAXQDAソフトウェアプログラムを採用し、質的研究手法であるテンプレート分析法を利用した。
結果:合計7つのジレンマテーマと16のサブテーマが同定された。学生医師に関するアイデンティティについてのジレンマが最も頻度が高かった。「ミスマッチ」と「Nun-chi」は、これまでのジレンマ・フレームワークにはなかった新たな追加テーマとして浮上した。複雑性ジレンマは、「アイデンティティ-尊厳」、「アイデンティティ-abuse」、「アイデンティティ-同意」という順序で現れた。
結論:韓国の臨床文化に存在する独特のジレンマを克服するためには、いくつかの重要な問題を考慮する必要がある。すなわち、学生医師の役割を高めること、教育病院が医療サービスを提供することに主眼を置いていることのバランスをとること、そして「Nun-chi」のような対人関係戦略を理解することである。