Sharp S, Priddie C, Clarke AH. Examining How Black Women Medical Students Rate Their Experiences with Medical School Mistreatment on the Aamc Graduate Questionnaire. Perspect Med Educ. 2024;13:255-265.
背景:医学生の不当な扱い (mistreatment)が人種/民族や性別によってどのように異なるか、特に黒人女性の経験に焦点をあてて調べた研究者はほとんどいない。さらに、マイノリティ集団の経験を調査する際、研究者はしばしば理論的枠組みを用いることができない。本研究の目的は、米国の黒人女性医学生が経験する不当な扱いの頻度と、それが他のUnderrepresented in Medicine (URiM)医学生と比較してどうであるかを、交差性 (intersectionality)を理論的枠組みとして用いて検討することである。
方法:米国医科大学協会(Association of American Medical Colleges)のGraduate Questionnaire(GQ)をデータソースとし、記述統計と頻度を調べた。米国黒人女性(N = 2,537)とその他のURiM学生(N = 7,863)の違いをマン・ホイットニーのU検定で調べた。
結果:本研究の結果、ほとんどの黒人女性医学生は不当な扱いを経験していないことが浮き彫りになったが、これらの研修生のうち、ジェンダー的(χ2(1) = 28.59、p < .01)、人種的/民族的(χ2(1) = 2935.15、p < .01)攻撃的な発言を高い頻度で経験したと報告した割合は、URiMの研修生よりも高かった。また、米国の黒人女性医学生が、自分の代弁者としての自信のなさ、報復への恐れ、些細な出来事と見なすことなどから、不当な扱いを受けたと報告する頻度が低い(27.3%)こともわかった。
結論:黒人女性医学生に関する研究はほとんど存在せず、交差性のような関連する理論的枠組みを用いた研究はさらに少ない。黒人女性の経験を抽出しないことは、疎外感、不可視性、そして彼女たちの不当な扱いに対する不適切な注意を悪化させる。