医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Is medical training solely to blame? Generational influences on the mental health of our medical trainees (Med Educ Online 2024)

Suliman S, Allen M, Chivese T, de Rijk AE, Koopmans R, Könings KD. Is medical training solely to blame? Generational influences on the mental health of our medical trainees. Med Educ Online. 2024;29:2329404.

背景:医学研修が研修生のメンタルヘルスに与える悪影響は、依然として懸念されている。Z世代とY世代は、社会文化的な環境の中に位置し、親との関わりが深く、テクノロジーの普及によって定義され、現在、それぞれ卒前と卒後の医学教育を支配している。ストレス、バーンアウトうつ病レジリエンスに関連する医学研修生の世代特性や職務関連要因を探ることが必要である。これにより、医学研修生のメンタルヘルスに対する異なる視点や潜在的な解決策が得られるかもしれない。

方法:カタールの2施設の医学研修生(学生およびレジデント)を対象に横断研究を実施した。自記式のオンライン調査により、研修生のソーシャルメディアの使い過ぎ、親の子育てスタイル、臨床の先生による教育的サポート、仕事(要求、コントロール、サポート)、ワークライフバランスを測定し、それらのストレス、バーンアウトうつ病レジリエンスとの関連を調べた。重回帰分析により関連を検証した。

結果:回答した326名の医学研修生のうち、学生93名、研修医49名の計142名(44%)が全項目を回答し、分析対象となった。ソーシャルメディアの多用とワークライフバランスの維持不能は、ストレス、抑うつ、学生のバーンアウトのレベルの高さと関連していた。ジョブサポートのレベルが高いほど、ストレス、抑うつ、レジデントのバーンアウトのレベルが低く、レジリエンスのレベルが高かった。ジョブコントロールは、より低いバーンアウト水準と関連していた。子育てのスタイルは研修生のメンタルヘルスとは無関係であった。

結論:現在の医学研修を支配している「Y」と「Z」の2つの世代は、ソーシャルメディアの使い過ぎやワークライフバランスの維持に失敗している証拠がある場合、ストレスに関連した愁訴をより多く示したが、ジョブサポートはこれを相殺し、子育てスタイルは影響を示さなかった。医学研修生のメンタルヘルスを向上させるための対策としては、ソーシャルメディアの賢明な使用に関する教育、より質の高い社会的時間を過ごすことの奨励、ジョブサポートとジョブコントロールの強化などが考えられる。