医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Burnout, wellbeing, and how they relate: A qualitative study in General Practice trainees (Med Educ 2022)

Prentice S, Elliott T, Dorstyn D, Benson J. Burnout, wellbeing, and how they relate: A qualitative study in General Practice trainees. Med Educ. 2022 Aug 23. Epub ahead of print.

背景:これまで医学研修生のバーンアウトの危険因子に関する研究は行われてきたが、この現象に関する個人的な経験や認識に関する研究はほとんど行われてこなかった。同様に、研修生のウェルビーイングやそれがバーンアウトとどのように関連しているかについての理論的考察もほとんどなされていない。本研究では、この2つの構成要素を概念化することを目的とした。

方法:本研究は、postpositivist認識論に基づき、グラウンデッド・セオリーを用いて研究過程を指導した。参加者は、オーストラリアのGPの研修機関から募集した。14名の研修生がインタビューに答え、さらに5つのフォーカスグループで33名のスーパーバイザー、教育者、研修コーディネーターの見解を探った。データ収集と分析は同時に行われ、一定の比較とトライアンギュレーションが用いられた。コーディングの反復プロセスを用いたテンプレート分析により、関心のある現象についての概念モデルを作成した。

結果:参加者は、バーンアウトを、スペクトラムに横たわる陰湿な症候群と表現し、以下の7つのテーマに集約して説明した:感情の変化、パフォーマンスの低下、離脱、不満、消耗、過労、圧倒される感じ。ウェルビーイングは、個人的な領域と職業的な領域から構成され、それらが相互に作用し、根底にある「リザーバー」によって活性化されると考えられている。両構成要素は、研修生の価値観の充足度によって関連し、バーンアウトは研修生のウェルビーイングのリザーバーが枯渇したときに発生することがわかった。

結論:本研究の参加者は、バーンアウトウェルビーイングを多面的でつながりのある構成概念として特徴づけた。これらの構成要素の複雑さを考慮すると、予防的介入は個人と職場に焦点を当てた要因の両方を対象とすべきであり、価値充足が基本的な変化メカニズムであることが提案された。これらの知見に基づき、先行研究を統合・発展させた新しいモデルが提示されている。