医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Constructing "Burnout": A Critical Discourse Analysis of Burnout in Postgraduate Medical Education (Acad Med 2023)

Khan R, Hodges BD, Martimianakis MA. Constructing "Burnout": A Critical Discourse Analysis of Burnout in Postgraduate Medical Education. Acad Med. 2023;98:S116-S122.

背景:1974年、Herbert Freudenberger博士はバーンアウトという言葉を生み出した。1984年にMaslach Burnout Inventoryが作成され、バーンアウトはポップな心理学用語から、医学の分野で高度に研究される現象になった。バーンアウトの研究は飛躍的に伸び、2022年には国際疾病分類11に採用された。しかし、医療におけるバーンアウトに対する認識や取り組みが高まっているにもかかわらず、多くの調査で、研修生の間で燃え尽き症候群の割合が増加していることが報告されている。著者らは、卒後医学教育(PGME)におけるバーンアウトを正当化し、あるいは動員するために機能しているさまざまな言説を明らかにし、以下の疑問に答えることを目的とした:バーンアウトを改善する努力にもかかわらず、なぜPGMEにバーンアウトが残っているのか?

方法:フーコーの言説分析を用いて、本研究では、バーンアウトが持続する入口として、PGMEの社会化期を検討した。言説を構築したアーカイブには、500以上の学術論文、多数の政策文書、自伝、ビデオ、ドキュメンタリー、ソーシャルメディア、学会資料、Redditを含むフォーラムのスレッドなどが含まれた。

結果:本研究では、1974年から2019年にかけてのバーンアウトに関する3つの言説(illnessとしてのバーンアウト、職業的ストレスとしてのバーンアウト実存主義としてのバーンアウト)を特定した。それぞれの言説は、真理の記述、記号とシニフィエ、言説の中で個人が果たす役割、異なる言説の結果として可視性を獲得したさまざまな制度と関連していた。

結論:バーンアウトは組織にとって生産的な構成要素であるため、それを改善しようとする努力にもかかわらず持続している。現在の形では、バーンアウトは健康問題を非政治化し、ウェルネスを支持し、臨床医としての経験から意味を見出すという挑戦に声を与える。