医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Impostorism and anxiety contribute to burnout among resident physicians (Med Teach 2022)

Liu RQ, Davidson J, Van Hooren TA, Van Koughnett JAM, Jones S, Ott MC. Impostorism and anxiety contribute to burnout among resident physicians. Med Teach. 2022 Feb 1:1-7. Epub ahead of print.

背景:医師のバーンアウトは、ここ10年で最重要視されるようになった問題である。バーンアウトには多くの要因があるが、impostorismと自信喪失の影響はほとんど無視されてきた。我々は、卒後医学学習者を対象に、不安とimpostorismがバーンアウトとどのような関係にあるのかを調査した。

方法:4つの多様な研修プログラムに参加する卒後学習者を対称とした。家庭医療(FM)、小児(PM)、麻酔(AN)、一般外科(GS)の4つの多様な研修プログラムにおいて、impostorism(IP)、不安、バーンアウトの発生率を明らかにするために調査を実施した。IP、不安、バーンアウトは、それぞれClance Impostor Phenomenon Scale(CIPS)、Maslach Burnout Inventory-Human Service Survey(MBI-HSS)、General Anxiety Disorder-7(GAD-7)質問票を使用して評価された。バーンアウトは、3つの領域すべてでバーンアウト基準を満たすものと定義された。IP、不安、バーンアウトの関係を調査した。

結果:269名のレジデントが調査に回答した(回答率18.8%)。回答者は専門分野間で均等に分布していた(FM = 24.9%,PM = 33.1%,AN = 20.4%,GS = 21.6%)。IPは全体の62.7%で確認された。CIPSの平均点は66.4点(SD=14.4)であり、「頻繁にimpostorismを感じる」ことに相当した。女性の学習者は、IPのリスクが高かった(RR = 1.27, 95% CI: 1.03-1.57)。3つの下位尺度すべてでバーンアウト基準を満たすと定義されるバーンアウトは、回答者の23.3%で検出された。バーンアウトは専門分野間で有意差がみられた(p = 0.02)。GSのレジデントは、PMおよびANレジデント(それぞれ26.7%、10.0%、p = 0.02)よりもバーンアウトを経験する傾向が強かった(31.7%)。IPは、不安(RR = 3.64, 95% CI:1.96-6.76)およびバーンアウト(RR = 1.82, 95% CI:1.07-3.08)両方の独立した危険因子であった。

結論:impostorismは専門に関係なくレジデント学習者がよく経験するものであり、学習者の不安やバーンアウトの一因となる。監督者およびプログラムディレクターは、IPの蔓延とバーンアウトへの影響を認識する必要がある。IPを軽減するための取り組みは、レジデントのwellnessを改善し、卒後学習者におけるバーンアウトを減少させる可能性がある。