医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Unravelling underlying processes in intraprofessional workplace learning in residency (Med Educ 2023)

Teheux L, Kuijer-Siebelink W, Bus LL, Draaisma JMT, Coolen EHAJ, van der Velden JAEM. Unravelling underlying processes in intraprofessional workplace learning in residency. Med Educ. 2023 Nov 22. Epub ahead of print.

背景:質の高い協働ケア (collaborative care)を提供するためには、レジデントは専門領域(intraprofessional learning; 専門領域内学習)の枠を超えたトレーニングを受ける必要がある。現在の文献では、専門職内学習に影響を及ぼす根本的なプロセスについての洞察は得られていない。本研究の目的は、レジデントが経験する日常的な専門職内交流を調査することにより、研修における専門職内職場学習で生じるプロセスを洞察することであり、最終的な目的は協働診療を改善することである。

方法:オランダの小児専門病院のレジデントを対象に、実地観察と綿密なインタビューによるエスノグラフィーを実施した。2022年、4つの異なる診療科から9名のレジデントがシャドーイングおよび/またはインタビューを受けた。合計120時間以上の観察と10回のインタビューが行われた。データ収集と分析は反復的に行われ、多様な視点を持つ研究チームや関係者のサウンディングボード・グループで議論された。

結果:レジデントは日常業務の一環として、数多くの職種内交流に関与していた。その結果、専門職内の職場内学習で生じる根本的なプロセスを明らかにする3つのテーマが特定された:(1)レジデントの主体性、(2)イングループとアウトグループ、(3)専門職内の協働に関するコミュニケーション。

結論:協働実践は多くの専門職内学習の機会を提供するが、専門職内協働ケアを向上させるために、他の専門職から、他の専門職とともに、また他の専門職について自動的に学習が行われるわけではない。特定されたテーマを包括し、複雑な専門職内ケアの学習機会へのレジデントの参加を促進するうえで、レジデントと監督者の二人組が極めて重要な役割を果たすことを強調する。さらに、協働ケアにおける意図的な実践と責任分担を促進することは、質の高い協働ケアを患者に提供する役割と責任をレジデントがよりよく準備するために極めて重要であることを提案する。