van Woezik TET, Stap TB, van der Wilt GJ, Reuzel RPB, Koksma JJ. Seeing the Other: How Residents Expand Their Perspective by Learning With the Arts. J Grad Med Educ. 2023;15:50-58.
背景:芸術との関わりは、変容的な学習 (transformative learning)、内省、患者に対する全体的な見方を育むことによって、医学教育を豊かにすることができる。本研究の目的は、芸術を用いた長期的な医学教育におけるレジデントの専門的能力の発達を調べることである。
方法:様々な専門分野のレジデント(n = 99)が、絵画、彫刻、形式的分析などの創造的かつ内省的な課題を通して芸術ベースの学習に取り組む様子を追跡調査した。参加者は、学習プロセスや経験について、独立した研究者による短い半構造化面接で、1対1や小グループでインタビューを受けた。3年間(2016~2018年)にわたるデータ収集と分析のための反復プロセスに、グラウンデッド・セオリーを用いた。
結果:7つのテーマが構築され、(1)教育をスローダウンすることで内省の余地が生まれる、(2)判断やルールの不在が実験に拍車をかける、(3)感情に関わることで内省とモチベーションが育つ、(4)芸術家の手法が視点の変化をもたらす、(5)患者に対する全体観が現れる、(6)レジデントは自分の専門的成長をコントロールする必要性を理解している、(7)階層や期待の面で乗り越えるべき障壁があることが示された。我々の調査は、インターンやレジデントが視点の変換を行うことを示した。研修中の医師の成長の鍵は、教育における芸術の開放的で感情的な性質にある。
結論:芸術を用いた学習は、患者中心のヘルスケアと自己管理的学習に沿って、研修中の医師に新しい視点をもたらす。