医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Addressing medical resident mistreatment: A resident-centred approach (Med Teach 2023)

Sahiti Q, Shearer C, Thomson C, Sutherland L, Bowes D. Addressing medical resident mistreatment: A resident-centred approach. Med Teach. 2023 Nov 16:1-7. Epub ahead of print.

背景:虐待 (mistreatment)は医学学習者のウェルビーイングに悪影響を及ぼし、患者の転帰やチーム機能の悪化に関連している。虐待の報告体制や調査の改善に関するレジデントの見解は、これまで調査されてこなかった。我々は、安全な報告体制、調査、解決プロセスに関するレジデントの見解を理解することを目的とした。

方法:ダルハウジー大学の全レジデント(N = 645)を対象とした匿名オンライン調査に反映させるため、一連の質的インタビューから始まる探索的逐次混合法研究を実施した。

結果:インタビューでは、レジデント(N = 10)は、虐待に関する個人的な経験、報告する際の障壁、そしてこれらのプロセスがどのようにすればより良いサービスを提供できるかについて議論した。インタビューから得られたテーマは、匿名のオンライン調査に組み入れられ、より多くのグループにおける普及状況を調査した。レジデント(N=120, 19%)はオンライン調査に回答し、虐待は非常に一般的であるにもかかわらず、十分に報告されていないことを明らかにした。報告の障壁としては、秘密保持への懸念、報告しても何も変わらないという認識、報復への恐怖などがあった。加害者に望まれる結果は、加害者の立場や事件の重大性によって異なり、ほとんどが改善アプローチを望んでいた。

結論:レジデントへの虐待は依然として蔓延しており、現在の報告への対処プロセスは不適切である可能性がある。レジデントは施設の方針と手順を改善するための思慮深い洞察力を持っており、有意義に関与すべきである。