医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Medical students, mental health and the role of resilience - A cross-sectional study (Med Teach 2022)

Healy C, Ryan Á, Moran CN, Harkin DW, Doyle F, Hickey A. Medical students, mental health and the role of resilience - A cross-sectional study. Med Teach. 2022 Oct 10:1-9. Epub ahead of print.

背景:医学生は、メンタルヘルス上の困難やバーンアウトの有病率が高いことが報告されている。しかし、レジリエンスとこれらの困難の関連を検討した調査は限られている。我々は、(1)うつ病、不安症、個人的・職業的バーンアウトと併存症、(2)これらのアウトカムと関連する人口学的・教育的特徴、(3)レジリエンスとこれらのアウトカムとの関連、(4)これらの結果がサンプリングバイアスに起因するかどうかを検討した。

方法:参加者はRCSI University of Medicine and Health Sciencesの医学生521名であった。アウトカムは検証済みの尺度を用いて測定した。記述統計学を用い、一般化線形モデリングを用いて困難の危険因子を検討した。

結果:3人に1人の学生がうつ病または不安症の発症を報告した(24.5%が併発)。8.9%の学生が4つの困難のすべてを報告した。困難は、女子学生やプログラムの中年期に多くみられた。レジリエンスはすべての結果と負の相関があり、人口統計学的変数や教育的変数によらず安定していた。サンプリングバイアスのためにデータを重み付けしても、これらの結果に影響はなかった。

結論:本研究の結果は、学生におけるうつ病、不安症、バーンアウト、合併症の高い発生率を強調するものであった。我々は、医学生におけるうつ病、不安症、バーンアウトの発生を改善しうる修正可能な因子としてのレジリエンスの役割について、さらなる調査を行うことを提唱している。