医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Applicant perceptions of selection methods for health professions education: rationales and subgroup differences (Med Educ 2022)

Fikrat-Wevers S, Stegers-Jager KM, Groenier M, Koster AS, Ravesloot JH, Van Gestel RA, Wouters A, Van Den Broek WW, Woltman AM. Applicant perceptions of selection methods for health professions education: rationales and subgroup differences. Med Educ. 2022 Oct 10. Epub ahead of print.

背景:選考方法に対する応募者の認識は、モチベーション、成績、退学に影響を与える可能性があり、そのため、アクセス拡大の文脈で関連性があると考えられる。しかし、応募者のサブグループが異なる選考方法をどのように認知しているかは不明である。組織的公正理論 (organizational justice theory)を用い、様々な選考方法に対する応募者の認識、認識の背後にある根拠、およびサブグループの差異について、多機関共同研究により検討した。

方法:オランダの5つの卒前医療専門職プログラムの志願者(N=704)が、人口統計学と、一般的に用いられる11の選考方法に対する志願者の認識に関する質問表を含むオンライン調査に回答した。志願者は、一般的な好感度と正義の側面を7段階のリッカート尺度で評価し、それぞれの方法についてコメントを追加することができた。

結果:一般的な好感度は、カリキュラム・サンプリング試験(M = 5.32)と技能試験(M = 5.13)が最も高く、加重抽選(M = 3.05)と非加重抽選(M = 2.97)は最も低く評価された。さらに、応募者は、認知能力以外の属性を評価する方法で自分を差別化することを好んでいる。質的な内容分析からは、複数の選考方法を望む声とストレスが大きいという声など、相反する要望が明らかになった。一般的な好意度について線形混合モデルを用いて調べた結果、性別、移住歴、学歴、親の学歴などのサブグループによって、若干の違いがあることがわかったが、これらの違いが実際に意味するところはごくわずかであった。しかしながら、特定の選抜方法が、資源への不平等なアクセスにより、公平な入学を阻害する可能性があるという懸念が示された。

結論:本研究の結果は、志願者が様々な選考手段を組み合わせて多様な属性を示すことを望んでいることを示すが、その結果、複数の欠点が生じる可能性があることも観察された。本研究は、どの選考方法を取り入れるべきか、より否定的に受け取られやすい方法は何か、また、応募者のニーズを満たすためにどのように方法を適応させるべきかを決める際に役立つと思われる。