医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"Reduced to My Race Once Again": Perceptions about Underrepresented Minority Medical School Applicants in Canada and the United States (Teach Learn Med 2022)

Barootes HC, Huynh AC, Maracle M, Istl AC, Wang P, Kirpalani A. "Reduced to My Race Once Again": Perceptions about Underrepresented Minority Medical School Applicants in Canada and the United States. Teach Learn Med. 2022 Nov 9:1-12. Epub ahead of print.

背景:メディカルスクールにおける人種的多様性を高めるために、多くの教育機関は、underrepresented minority (URM) 出願制度を設けている。しかし、多くのURM学生は研修期間中、あからさまな、あるいは受動的な疎外感を経験しており、これはURMストリームからの入学者が同級生からどう見られているかと関係している可能性がある。

方法:我々は、オンライン・ディスカッション・フォーラムの談話分析 (discourse analysis)を行い、カナダと米国におけるURMストリームがどのように認識されているかを探った。2015年から2020年の間に公開された13のディスカッションスレッドから850の投稿を分析した。帰納的内容分析を用いて、データ駆動型のコーディングスキームを開発し、そこから共通のテーマを特定した。

結果:多様な労働力の利点に対する全体的な評価にも関わらず、参加者はURMストリームの利点をめぐる著名な議論に従事していた。また、URMからの入学者は、学問的にも臨床的にも能力が低いという認識があり、URM以外の入学者から見て、入学する価値がないと感じていることが報告された。また、社会経済的地位の影響が十分に認識されておらず、入試担当者がこの障壁に十分に対処していないと感じているユーザーもいた。また、URMでない志願者は社会の変化を恐れ、URM志願者は制度が人種的地位によって自分たちを定義することを恐れ、入学プロセスが「壊れている」と認識する志願者もいた。

結論:オンライン・ディスカッション・フォーラムは、URMの流れをめぐる認識についてユニークな洞察を与えてくれる。我々は、これらのストリームに出願するURM学生に関する潜在的に有害な誤解を特定し、URM入学者に対する疎外感を減らすための実行可能な対策を医学部入学前から始める必要があることを強調した。