医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Trust Me, I Know Them: Assessing Interpersonal Bias in Surgery Residency Interviews (J Grad Med Educ 2022)

Towaij C, Gawad N, Alibhai K, Doan D, Raîche I. Trust Me, I Know Them: Assessing Interpersonal Bias in Surgery Residency Interviews. J Grad Med Educ. 2022;14:289-294.

背景:研修医の選考は、客観的なデータと主観的なデータを統合して行われる。面接は洞察力やコミュニケーション能力などの特性を評価するのに役立つが、バイアスがかかる可能性がある。構造化された複数のミニ面接 (structured multiple mini-interviews)はバイアスの要素を軽減することができるが、医学研修生の評価にはハロー効果があるとされ、応募者との親密度が面接におけるバイアスの要因として残る可能性がある。本研究の目的は、面接前に応募者を知っていることが面接官に与えるバイアスの程度を、既知と未知の応募者のファイルレビューと面接のスコアを比較することによって調査することである。

方法:2019年から2021年のオタワ大学一般外科レジデンシー研修プログラムへの応募者のファイルレビューと面接スコアをレトロスペクティブに収集した。志願者は、施設出身者であれば"home"、施設でエレクティブを修了していれば "known"、そして"unknown"に分類された。グループ間の面接スコア中央値の比較にはKruskal-Wallis H検定、ファイルレビューと面接スコアの相関を調べるにはSpearmanの順位相関(rs)を使用した。

結果:3年間で169名の応募者が面接を受け、62%がunknown、31%がknown、6%がhomeであった。home応募者、known応募者、unknown応募者の面接スコアの中央値には、統計的に有意な差があった(P = 0.01)。各グループを比較した結果、ファイルレビューと面接スコアの間には、申請者のfamiliarityが高くなるほど、高い正の相関が見られた(rs=0.15 vs 0.36 vs 0.55 in unknown, known, and home applicants)。

結論:ファイルレビューと面接スコアの間には、応募者にfamiliarityがあるほど正の相関がある。面接のプロセスは、現在の構造では十分に軽減されない固有のバイアスを含んでいる可能性がある。