医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Learning from the Experts: Stimulating Student Engagement in Small-group Active Learning (Perspect Med Educ 2024)

Grijpma JW, Ramdas S, Broeksma L, Meeter M, Kusurkar RA, de la Croix A. Learning from the Experts: Stimulating Student Engagement in Small-group Active Learning. Perspect Med Educ. 2024;13:229-238.

背景:少人数制のアクティブ・ラーニングに学生を参加させることは、学生の成長にとって不可欠である。しかし、医学部教員は、このような学習への関与を促すことの難しさにしばしば直面し、その結果、学生が受動的であったり、学習プロセスから離れたりすることがある。本研究の目的は、学生の学習意欲を高めることに長けている熟練した医学教員が、どのように学生の学習意欲を高めているのかを明らかにすることである。この知見は、ファカルティ・ディベロップメント(FD)の取り組みに役立てられるかもしれない。

方法:我々は、構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチを用い、appreciative inquiryの要素を統合したインタビュー調査を実施した。11名の参加者は、学生のエンゲージメントについて繰り返し高得点を得ている有資格の医学教師であった。各インタビューを書き起こし、コード化し、理論的飽和に達するまで定比較を用いて分析した。

結果:我々は、専門家による教育実践の基礎理論を構築し、学生エンゲージメントを3つの要素からなる統合的なプロセスとして説明した: 1)支援的な学習環境を目指す、2)個人的な教育アプローチを採用する、3)能動的な学習プロセスを促進する。

結論:本研究により、学生の高いエンゲージメントを刺激する複数の方法が明らかになった。支援的な学習環境と能動的な学習プロセスを促進する能力の重要性については意見が一致したが、参加者は学生エンゲージメントの文脈的な性質を認識し、それぞれの状況に合わせて戦略を適応させるために反省的な考え方をした。これらの調査結果は、FDイニシアティブが、学生エンゲージメントの複雑さを考慮した、包括的で文脈を考慮したアプローチを採用する必要性を浮き彫りにした。