Gebert JT, Zhang M. Fewer medical students are open to body donation after dissecting human cadavers. Med Educ. 2022 Oct 8. Epub ahead of print.
背景:死体解剖 (cadaver dissection )は長い間、医学教育の重要な要素であると評価されてきた。多くの医師は死体解剖が学習に良い影響を与えることを認めているが、一般市民に比べ、解剖のために自分の体を提供する意志を持つことはあまりない。本研究は、死体解剖を終えた後、遺体提供に前向きな医学生の割合が変化するかどうかを明らかにすることを目的とする。
方法:ヒトの死体を解剖する前後に、3つのコホートで323名の医学生を対象に縦断的な調査を実施した。調査を通じて、学生は解剖のために自分の体を提供するかどうかを回答した。さらに、学生は、その決断の根拠、人口統計、解剖が医学教育に及ぼす影響の認識に関する項目に回答した。
結果:遺体提供の意思を表明した学生の割合は、死体解剖後に25%減少した。当初、献体すると回答した171名のうち、61名(35%)が死体解剖後に回答を変更した。宗教を動機とする者は遺体提供への積極性が低く、倫理的な要因を挙げる者は積極的であった。
結論:本研究では、死体解剖終了後、遺体提供に前向きな学生の割合が大幅に減少したことを記録した。それにもかかわらず、学生はほぼ例外なく死体解剖の教育的利点を報告している。このことは、死体解剖の感情的影響と遺体提供の倫理的意味について興味深い問題を提起している。