医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Hospitalists' perspectives on challenging patient encounters and physician well-being: A qualitative study (Patient Educ Couns 2021)

Fosnot L, Jones CD, Keniston A, Burden M, Indovina KA, Patel H. Hospitalists' perspectives on challenging patient encounters and physician well-being: A qualitative study. Patient Educ Couns. 2021 Aug 25:S0738-3991(21)00569-3. Epub ahead of print.

背景:困難な患者との出会いは、医師のバーンアウトの原因となるが、これらが特にホスピタリストにどのような影響を与えるかについてはほとんど知られていない。本研究では、組織的な取り組みに役立てるために、ホスピタリストが困難な患者との出会いをどのように捉えているか、またそのことがホスピタリストのwell-beingにどのような影響を与えているかを調査した。

方法:本研究では、困難な患者との出会いをめぐる医師のレジリエンスについて、Stanford Wellness Frameworkに基づく概念的枠組みを用いて、3次アカデミック病院とセーフティーネット病院の2カ所で、15名のホスピタリストを対象に質的記述的研究を行った。

結果:「無力感」と「時間のかかる患者との出会い」という2つのテーマが浮かびあがった。無力感は、システムの問題、患者と医療者の目標の不一致、暴力と関連していた。時間のかかる出会いは、システムの問題、長時間の会話を必要とする目標の不一致、そして患者の要因によるものであった。これらの要因は、ホスピタリストのwell-beingに悪影響を及ぼすことがわかった。レジリエンス戦略には、共感能力の開発と教育、デブリーフィング、ピアツーピアの交流、外部リソースを通じて専門家や同僚の意見を求めることが含まれていた。

結論:困難な患者との出会いのなかでホスピタリストを支援するための組織戦略には、システムプロセスの改善、共感を構築する地域文化の育成、ピアツーピアの関係やデブリーフィングの仕組みの支援など、多面的なアプローチが必要である。コミュニケーションスキルやマインドフルネスに加えて、システムプロセスの改善や健康文化に関するコミュニケーションを強化することで、ホスピタリストのwell-beingを改善できる可能性がある。