医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

From burden to benefit: a multi-site study of the impact of allied health work-based learning placements on patient care quality (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Nisbet G, Thompson T, McAllister S, Brady B, Christie L, Jennings M, Kenny B, Penman M. From burden to benefit: a multi-site study of the impact of allied health work-based learning placements on patient care quality. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Nov 19. Epub ahead of print.

背景:医療従事者の臨床実習は、サービスに対する需要がリソースの利用可能性を上回ることが多く、ますます過密になっている医療制度のなかで行われている。このような環境では、学生の実習は、すでに手一杯の労働力にとってさらなる負担となることが多いと考えられている。本研究では、学生をより意図的にケアに統合するために、協力的なパートナーシップのアプローチを用いてサービスを再設計した場合に、患者ケアの質が向上するかどうかを調査した。

方法:複数の事例を組みこんだ研究デザインを用い、フォーカスグループとインタビュー、患者体験調査、二次的なadministrative data sourcesを通じてデータを収集した。ケースは、6つの異なる病院環境における理学療法作業療法に及んだ。

結果:学生によって提供されたケアに対する認識は、患者を含むすべての関係者から肯定的に捉えられていた。質的な調査結果から明らかになった、健康状態の早期改善、運動機能の向上といった健康上の成果は、治療セッションの増加、他の介護施設ではなく自宅へ退院する患者の増加、入院期間の短縮といった、サービス提供の量的な指標によって裏付けられている。医療従事者と学生は、質の高いケアを維持しながら、サービスの効率性を向上させることができたと認識している。

結論:本研究は、学生を意図的にサービスに組みこむことで、他の方法では提供されないような患者ケアを改善するという、パートナーとしてのアプローチを採用した場合の予備的な証拠を示している。さらに、この研究は、学生を負担として扱うのではなく、学生を利益として扱うようにした。