医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Spanish medical jargon: A new metric for improving patient-centered communication with Spanish-speaking patients (Patient Educ Couns 2023)

Ortega P, Cisneros R, Park YS. Spanish medical jargon: A new metric for improving patient-centered communication with Spanish-speaking patients. Patient Educ Couns. 2023 Jan 20;109:107644. Epub ahead of print.

背景:医療専門用語 (medical jargon)を減らすことは、患者を中心としたコミュニケーションを改善することであり、これは医療スペイン語コースの中核的な目的である。我々は、スペイン語の医療専門用語を識別し、分類するための信頼性の高い方法論を開発することを目的とした。

方法:医療スペイン語コースの医学部4年生を対象に、10の臨床シナリオのなかで診断、治療、フォローアップケアについて説明する様子を録画した。我々は、録音記録からスペイン語の医療専門用語を特定し、分類するための段階的なプロセスを開発した。2人のレビュアーが専門用語、説明不要の専門用語、非スペイン語(新語・英語)の単語数を採点した。また、他のコースの成績データと専門用語の相関関係を評価した。

結果:480のトランスクリプトで439のスペイン語の専門用語と134の非スペイン語の単語を確認した。1分あたりの平均スペイン語専門用語は6.57語であり、30%が説明不可能と分類された。全体的な評価者間信頼性は良好であった(クラス間相関 = 0.88)。コース終了後のスペイン語能力が「非常に良い」またはそれ以上の学生は、フォローアップケアの記録で説明できない専門用語が少なかった(P < 0.05)。その他のコース結果は、専門用語知見と相関がなかった。

結論:スペイン語の医療専門用語は、医療スペイン語コースにおける学生のコミュニケーションスキルを評価するために信頼性の高い指標として使用することができる。次のステップとして、患者の視点を取り入れること、専門用語の分析を自動化する戦略を検討することが挙げられる。スペイン語の医療専門用語は、スペイン語の患者中心のコミュニケーションの評価において、これまで未解明であった側面を追加するものである。