医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Identifying consensus on activities that underpin value-based healthcare in outpatient specialty consultations, among clinicians (Patient Educ Couns 2023)

van Engen V, Bonfrer I, Ahaus K, Buljac-Samardzic M. Identifying consensus on activities that underpin value-based healthcare in outpatient specialty consultations, among clinicians. Patient Educ Couns. 2023 Jan 20;109:107642. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、価値に基づく理想的な外来専門医の診察を支える臨床医と患者の活動について、臨床医間のコンセンサスを見出すことである。

方法:3ラウンドのオンライン・デルファイ調査を実施した。オランダの大学病院に勤務する19名の臨床医を対象に、活動の重要度を判定した。80%の一致をコンセンサスとした。活動内容はテーマ分析され、概念的なテーマが導き出された。

結果:専門家委員会は、理想的な価値ベースの外来専門医コンサルテーションにとって63の活動が重要であり、2つの活動は重要でないとして合意した。11の活動についてはコンセンサスに達しなかった。重要であるとされた活動の概念的なテーマは以下の通りであった。1)エンパワーメント、2)患者が報告する生物心理社会的転帰、3)人としての患者、4)患者の親族、5)権力と責任の共有、6)最適化、7)調整、8)治療関係、9)リソースへの配慮、である。

結論:価値観に基づく外来専門医の診察は、文脈に応じた意思決定を必要とし、人を中心とし、ケアの最適化と知的資源配分に注意を集中する。医療の社会的負担や気候のフットプリントは重要視されていない。患者報告経験指標の役割、"patient-like-me"データ、医療費など、さまざまな領域で格差が存在した。本研究は、価値に基づく外来専門医の診察における臨床医と患者の行動を指導・評価するツールボックスに貢献し、ファシリテーションを強化する機会を明らかにするものである。