医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Learning in Tension: A Case Study Examining What Internal Medicine Residents Learn in the Ambulatory Care Setting (Perspect Med Educ 2023)

Thomas DC, Frambach JM, Teunissen PW, Goldberg T, Smeenk FWJM. Learning in Tension: A Case Study Examining What Internal Medicine Residents Learn in the Ambulatory Care Setting. Perspect Med Educ. 2023;12:41-49.

背景:複雑な病態を持つ患者の医療は外来セッティングに移行しているが、レジデントの学習に関する現在の知識は主に入院セッティングを対象とした研究に基づくものである。この変化に対応するためには、内科 (IM)レジデントが現在外来ローテーションで何を学んでいるかを理解することが必要である。本研究の目的は、レジデントが外来診療の経験中に何を学んでいるかを明らかにすることである。

方法:qualitative instrumental case study designを用いて、著者らは2019年に米国ニューヨークの2つのIMプログラムのIM研修生(n = 15)、指導医(n = 16)、プログラムディレクター(n = 5)に対して別々のフォーカスグループを実施した。参加者は電子メールで募集し、フォーカスグループセッションは外来シラバスの文書分析によって補完された。

結果:フォーカスグループの解説と文書分析に基づき、外来で学んだ内容は、1)患者のニーズ、2)医療チーム内でのレジデントの役割、3)医療システムの機会と限界という3つのドメインを包含していた。また、患者をケアするために必要なスキルと習得したスキル、患者ケアのオーナーシップへの欲求と断片的なケア、割り当てられた時間と必要な時間など、これらの領域内および領域間の緊張についても学んだ。

結論:本研究では、研修医が外来診療の経験で何を学ぶかについて、2つの結果を明らかにした。第一に、学習内容は大きく3つのドメインに分類された。第二に、レジデントは理想的なケア提供と実践の現実の間の緊張について学んだ。これらの結果は、レジデントの学習ニーズを満たすために、カリキュラムと臨床環境をより適切に調整する必要性を強調している。