医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Leadership and Followership Dynamics in Interprofessional Health Care Teams: Attending Physician Perspectives (Acad Med 2024)

Barry ES, Teunissen P, Varpio L, Vietor R, Kiger M. Leadership and Followership Dynamics in Interprofessional Health Care Teams: Attending Physician Perspectives. Acad Med. 2024 Jul 22. doi: 10.1097/ACM.0000000000005819. Epub ahead of print.

背景:効果的な多職種医療チーム(IHT)メンバーは、医療過誤を減らし、資源を効果的に使用し、患者の転帰を改善するために協働しており、職種間協働は必須である。医師はしばしばIHTの役職的リーダーとして指名されるため、IHT内の協働に関する医師の視点を理解することは、理論的に示唆されていることと実際に起こっていることとの間の断絶を緩和するのに役立つ可能性がある。本研究の目的は、臨床ケアの文脈で一般的に機能している医療チームにおけるリーダーとフォロワーのダイナミクスを探ることである。

方法:2022年11月から2023年9月にかけて、周術期(術前診療室、手術室、術後回復病棟)または救急部においてIHTを率いたことのあるアテンディングを対象に、構成主義的アプローチを用いて12回の個別半構造化面接を行った。2022年12月から2023年12月にかけて、帰納的テーマ分析(inductive thematic analysis)を用いて記録を分析した。

結果:医師のIHTリーダーシップ・フォロワーシップダイナミクスに対する認識を説明する、3つのテーマが抽出された:(1) 医師はintraprofessionallyにリーダーシップを共有することに抵抗がない、(2) 臨床の文化や環境が専門職間のフォロワーシップやリーダーシップの共有を制約している、(3) 適切な場合には積極的なフォロワーが評価される一方で、階層的なモデルが維持されている。

結論:本研究のデータから、周術期および救急部の環境では、共有リーダーシップは主にinterprofessionallyに発生するのではなく、intraprofessionallyで発生することが示唆された。参加者は、臨床文化や環境(すなわち、法的な懸念、階層的な前提、patient care ownership責任)が、専門職間のフォロワーシップや共有リーダーシップを制約していることを示唆した。本研究で得られた知見と先行研究との整合性に基づき、今後の専門職間連携とフォロワーシップの役割に関する研究では、どのような要因が積極的なフォロワーシップと共有型リーダーシップを可能にし、また制約しているかに焦点を当てるべきである。このような協働は、積極的なフォロワーシップと共有リーダーシップが認められ、促進されて初めて実現できる。これらの知見や他の知見から、法的な懸念、階層的な伝統、patient ownershipへの配慮などから、すべての状況がこのようなタイプの専門職間協働を可能にしているわけではないことが示唆される。