van Poppel L, Pilgram R. The argumentative role of patient companions in (shared) decision-making. Patient Educ Couns. 2024;133:108623.
背景:本研究の目的は、診察における議論のやりとりに患者同伴者がどのように関与しているかを検討し、共有意思決定(SDM)において患者同伴者の貢献をどのような場合に考慮すべきかを探ることである。
方法:医療専門家(オランダの地方病院の医師)、成人患者、非公式の患者同伴者の間で行われた医療相談(N = 10)を書き起こし、質的分析を行った。argumentation theoryからの洞察を用いて、患者同伴者が関与する12の理論的に明確な議論状況の目録を作成し、可能性のある議論の役割、意見の相違のタイプ、および連合形成を区別した。
結果:診察には平均4.3回の話し合いの場面が含まれていた。ほとんどの話し合い(37.21%)では、医療従事者がstandpointを採用し、患者と同伴者は疑念を表明するのみであった。より複雑なケースは、同伴者を含む3者のうち1者が他の者の意見に反対した場合(発見された状況の34.88%)、および連合が形成された場合(発見された状況の18.60%で可能)であった。また、3者間で意見の相違が生じたり、予期されたりしており、診断や治療法に関する立場が関与していることがわかった。
結論:分析的枠組みとしてpragma-dialectical argumentation theoryを用いることで、患者同伴者は医療相談中の治療意思決定に実質的な影響を及ぼしうることが明らかになった。この影響力は、彼らが議論において担う具体的な役割、医療専門家や患者との意見の相違のタイプ、これらの当事者との連合の形成に依存している。
患者同伴者が患者との連合を形成している場合は、SDMにおいて患者同伴者の貢献を考慮すべきである。同伴者が連合を形成していない場合、その貢献はSDMにも関係するかもしれないが、その受け入れ可能性と治療決定との関連性は医療専門家によって確認されるべきである。一般的に、診察において患者同伴者の役割を明確に設定することが望ましい。