医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A theoretical systematic review of patient involvement in health and social care education (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Bennett-Weston A, Gay S, Anderson ES. A theoretical systematic review of patient involvement in health and social care education. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Jul 16. Epub ahead of print.

背景:医療・福祉教育における患者参加は、その厳密性を求める声が高まっているにもかかわらず、理論的な裏付けに欠けている。理論は、学習がどのように進められるかを説明し、カリキュラムの実施に関与する患者と教員がどのように関わるかの指針を与えるのに役立つ。

方法:我々は、理論が医療・福祉教育における患者の関与に対する我々の理解をどのように形成しているかを総合的に検討するため、システマティックレビューを実施した。3つのデータベースを系統的に検索した。教育や学習への患者の関与、あるいは医療・社会福祉教育者のコミュニティ内での関与について、理論の明確かつ質の高い適用を実証している研究を対象とした。専門教育における患者の関与の多面的な要素を強調するために、活動理論 (activity theory)を分析レンズとして使用し、ナラティブ統合が実施された。

結果:理論的な裏付けがあり、質の高い7つの研究が含まれた。4つの研究では、理論を教育学に応用し、患者参加からどのように深い学習が行われたかを示している。理論を用いて学習を説明しようとする研究は増えているが、多くは記述的であり、理論的な質を欠くため、除外した。3つの研究は、教育システムに患者が関与することの複雑さを明らかにするために理論を適用し、教育的役割において患者がどのようにサポートされ、評価されうるかを示している。

結論:このレビューでは、患者の関与が学習を促進するメカニズムを明らかにし、教育コミュニティへの関与が教員と患者にとって何を意味するのかを探るために、さらなる研究が必要であることを強調している。学習における患者と教育者のパートナーシップに関する我々の理解は、患者の声を取り入れた質の高い理論に基づいた研究によって、さらに深化する可能性がある。