医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The what matters most survey: A measurement evaluation of a self-reported patient values elicitation tool among cancer survivors (Patient Educ Couns 2023)

Nguyen AC, Amspoker AB, Karel M, Stevenson A, Naik AD, Moye J. The what matters most survey: A measurement evaluation of a self-reported patient values elicitation tool among cancer survivors. Patient Educ Couns. 2023;115:107899.

背景:複数の慢性疾患を有する患者、特にがんサバイバーは、医療上の意思決定において困難に直面している。これまでの研究で、患者の価値観が医療上の意思決定の指針になることが示されているが、患者の価値観の引き出しを容易にすることは依然として課題である。本研究の目的は、高齢の退役軍人がん生存者コホートにおいて、自己報告式の価値観誘発ツールであるWhat Matters Most(WMM)調査の心理測定学的特性を評価し、改良することである。

方法:高齢の多疾病がん生存者におけるWMM調査の心理測定学的特性を評価するために、観察コホート研究が実施された。262人の患者に、14~30日の間隔で2つの時点で評価を実施した。

結果:探索的因子分析により、高齢者の医療価値を評価するための4因子が明らかになり、すべての因子について良好な内的一貫性が認められた: 機能すること(クロンバックのα係数、α = 0.88)、人生を楽しむこと(α = 0.79)、つながること(α = 0.84)、健康を管理すること(α = 0.88)であった。人口統計学的特徴および臨床的特徴は、特定のヘルスケア価値観と一様には関連していなかった。

結論:提案された評価を改良し、一般患者集団への適用を評価するための今後の研究が必要である。WMMサーベイは健康価値観を引き出すための革新的なリソースであり、全人的医療アプローチのための患者と医師のコミュニケーションの促進や、研究のための健康価値観の測定を可能にする。