Freeman KJ, Houghton S, Carr SE, Nestel D. Measuring impostor phenomenon in healthcare simulation educators: a validation of the clance impostor phenomenon scale and leary impostorism scale. BMC Med Educ. 2022;22:139.
背景：インポスター現象 (impostor phenomenon)とは、知的・職業的詐称 (intellectual and professional fraudulence)の感情を表す言葉である。Clance Impostor Phenomenon ScaleとLeary Impostorism Scaleは、個人がインポスター現象を経験しているかどうかを判断するために用いられる2つの自己報告式尺度である。本研究では、医療シミュレーション教育者を対象に、両尺度の心理測定学的特性を検討した。
方法：研究対象者は148名で、114名（77％）が女性、34名（23％）が男性であり、それぞれの尺度をオンライン版で記入した。探索的因子分析を用いて、Clance Impostor Phenomenon ScaleとLeary Impostorism Scaleの因子構造を検討した。
結果：探索的因子分析の結果、両尺度とも1因子解が最もデータに適合し、両尺度の全項目が単一の理論構成概念に適合していることが示唆された。両尺度とも高い内部信頼性を示し、Clance Impostor Phenomenon Scaleクロンバックのαはα＝.96、Leary Impostorism Scaleのαは.95であった。
結論：本研究は、医療シミュレーション教育者において、Clance Impostor Phenomenon ScaleとLeary Impostorism Scaleで測定されるインポスター現象は一次元の構成要素であることを示唆する。インポスター現象への関心が高まる中、今回の知見は、医療現場におけるインポスター現象を評価する研究者の一助となるであろう。
