医学教育研究者・総合診療医のブログ

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A 4-factor perspective of the patient-practitioner orientation scale (PPOS): a deeper understanding of patient-centredness (BMC Med Educ 2022)

Jiang Y, Wei J, Shi L, Cao J, Zhu B, Hong X. A 4-factor perspective of the patient-practitioner orientation scale (PPOS): a deeper understanding of patient-centredness. BMC Med Educ. 2022;22:818.

背景:患者中心の医療サービスは広く認知されているが、それをどのように定義し、評価するかはまだ議論のあるところである。本研究では、Patient-Practitioner Orientation Scale(PPOS)の基本構造を均質な集団で評価し、患者中心性の背景構造を明らかにすることを試みる。

方法:本研究では、中国の医学部7年生279名を対象に、内的一貫性分析、探索的因子分析、確証的因子分析を行い、PPOSの内部構造を検討した。

結果:2因子モデル、4因子モデルともに、許容できる内的一貫性と構造的妥当性を示した。また、医師と患者の関係に対する暗黙の態度を支持する4因子モデルは、適応性の点で2因子モデルを上回った。

結論:PPOSは、中国の医学生によって評価されたように、良好な心理測定特性を有している。本稿では、医師-患者関係に影響を与える暗黙の態度の観点から患者中心性の探求を試み、4因子を再集計した。これら4つの次元は、医師-患者関係に対するより深い態度を示唆していると考えられる。一方、「情報の共有」や「患者への思いやり」は、これら4つの態度に基づいて表明される行動や好みであり、原因よりも結果であると言える。医師-患者関係に対する根底にある態度を理解することは、患者中心の医療サービス概念の構築や、医学教育課程や医療活動のシステム設計における医師-患者関係の改善に役立つと思われる。