医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Are serious games seriously good at preparing students for clinical practice?: A randomized controlled trial (Med Teach 2024)

Perron JE, Uther P, Coffey MJ, Lovell-Simons A, Bartlett AW, McKay A, Garg M, Lucas S, Cichero J, Dobrescu I, Motta A, Taylor S, Kennedy SE, Ooi CY. Are serious games seriously good at preparing students for clinical practice?: A randomized controlled trial. Med Teach. 2024 Mar 9:1-8. Epub ahead of print.

背景:シリアスゲーム(SGs)は小児医学教育において大きな可能性を秘めている。本研究では,学習者の満足度、知識、行動の向上におけるSGの有効性を評価した。

方法:本研究は、SGを2つの対照((i) 適応チュートリアル(AT),(ii) 低刺激対照(LSC))と比較した調査者盲検下ランダム化比較試験(RCT)である。SGは、仮想病院における没入感の高いロールプレイングゲームである。ATはインタラクティブなウェブベースのレッスンを提供する。LSCは、紙ベースの臨床診療ガイドラインである。UNSWの首都圏の上級医学生が対象となった。合計154人が登録し、1つの介入にブロックランダム化された。参加者は1つの介入を8週間受けることができ、小児急性喘息と発作の評価と管理について学んだ。満足度は、5つの記述に対するリッカート尺度による回答と2つの自由記述によるコメントで評価した。知識は10問の多肢選択問題(MCQs)で評価した。臨床行動は、30点満点の臨床管理シナリオ(CMS)のシミュレーションで評価された。一次解析は修正intention-to-treatベースで行われ、(1)SG対AT、(2)SG対LSCが比較された。

結果:一次解析(修正intention-to-treatモデル)には合計118人が組み入れられた。MCQの結果はSG群と対照群で有意差なし。CMSにおいてSG群はLSC群を上回り、中等度の効果を示した(30点満点:それぞれ20.8点(3.2点) vs 18.7点(3.2点), d = 0.65(0.2-1.1), p = 0.005)。CMSでは、SG群とAT群の間に統計学的有意差はなかった(スコア:それぞれ20.8(3.2) vs 19.8(3.1)、d = 0.31(-0.1~0.8)、p = 0.18)。感度分析(per-protocolモデル)を行ったところ、同様の結果が得られた。

結論:これは、学習者の態度、知識の習得、および模擬小児臨床シナリオにおける成績に対する高度に没入的なSGの有効性を評価した初の調査者盲検RCTである。SGは、特にLSCと比較して、模擬臨床環境への知識の移行を改善することが示された。SGsは、小児医学教育において有望である。