医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"It's What We Can Do Right Now": Professional Identity Formation Among Internal Medicine Residents During the COVID-19 Pandemic (Acad Med 2023)

Madrazo L, Zhang G, Bishop KA, Appleton A, Joneja M, Goldszmidt M. "It's What We Can Do Right Now": Professional Identity Formation Among Internal Medicine Residents During the COVID-19 Pandemic. Acad Med. 2023 Sep 4. Epub ahead of print.

背景:COVID-19パンデミックは、医学教育にとって、プロフェッショナル・アイデンティティ形成(PIF)に広範な影響を及ぼす崩壊の瞬間であった。現在までのところ、このことについては研究されていない。医学教育がポストパンデミックの時代に取り組むなかで、パンデミックPIFにどのような影響を及ぼしたかを洞察することは、パンデミックの好ましい影響を支援し、より有害な影響を緩和するために不可欠である。本研究では、COVID-19パンデミック時にPIFがどのように発生したかを検討し、今後の医学教育をより適切に適応させることを目的とする。

方法:構成主義的グラウンデッド・セオリーにより、反復的なデータ収集と分析を行った。著者らは、2020年11月から2021年7月にかけて、卒後年次(PGY)1~3のオンタリオ州内科レジデント24名を対象に半構造化グループインタビューを実施した。参加者には、パンデミック時の日々の臨床経験や学習経験について振り返ってもらった。

結果:内科レジデント24名(PGY-1 12名[50.0%], PGY-2 9名[37.5%], PGY-3 3名[12.5%])にインタビューを行った。参加者は、パンデミックを通して患者ケアと研修トレーニングをどのようにナビゲートしてきたかについて、一貫してさまざまなシステム問題に注意を向けてきたと述べた。参加者がこれらの問題にどのように対応したかは、個人の価値観、個人のウェルネスバーンアウト、自己効力感、組織の価値観、上司や職場コミュニティの価値観の相互作用によって形成された。これらの要因に影響されながら、特定した問題に対して行動するようになった人もいれば、諦めの気持ちを持って行動を先延ばしにした人もいた。このような相互作用は、参加者のコミュニケーション、アドボカシー、学習に関する経験に顕著に表れていた。

結論:レジデントのプロフェッショナル・アイデンティティは、様々な課題をどのように認識し、調整し、対処するかによって絶えず形成される。レジデントが、個人的に抱いている価値観と明白なシステム上の価値観との間の緊張を乗り越えていくなかで、指導的立場にある個人は、参加者が医師としてのアイデンティティの重要な側面であると認識している価値観や実践に力を与えるロールモデルとしての影響力に留意すべきである。