医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Reframing selection as a learning experience: Insights from a residency selection assessment (Med Teach 2024)

Teheux L, Coolen EHAJ, Tiehuis LH, Draaisma JMT, Willemsen MAAP, Hermans RHB, Kuijer-Siebelink W, van der Velden JAEM. Reframing selection as a learning experience: Insights from a residency selection assessment. Med Teach. 2024 Feb 9:1-8. Epub ahead of print.

背景:医学卒後研修の選考は、high-stakesで複雑なものである。これまでのところ、選抜のためのアセスメントの学習価値については十分に検討されておらず、有意義な学習体験となりうるアセスメントの利用が制限されている。本研究の目的は、レジデンシー志願者が知能、性格、意欲、能力に関する選考評価から得られる学習価値と、経験した学習価値に影響を与える要因を探ることである。

方法:2020年秋と2021年春に、小児科レジデンシー研修志願者16名を対象に個別半構造化面接を行った。面接時には選考結果は不明であった。インタビューは逐語的に書き起こし、テーマ分析した。

結果:参加者は、自己省察と自己認識の促進、自己受容の受け入れ、能力開発目標の追求、職業適合性の評価、仕事における動機づけの活用において、アセスメントが価値あるものであったと報告した。経験した学習価値は、その結果を解釈する応募者の能力、重視される選考プロセス、選考ツールの受容性と信頼性に関する懸念に影響された。

結論:選抜アセスメントは学習の可能性を示したが、その学習価値は、選抜手続きのhigh-stakesな性質にとらわれることによって阻害された。選抜評価を学習カリキュラムに意図的に組み込むことが、その学習可能性を実現するうえで極めて重要な役割を果たすと思われる。