医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Non-native English-speaking applicants and the likelihood of physician assistant program matriculation (Med Educ Online 2024)

Najmabadi S, Valentin V, Rolls J, Showstark M, Elrod L, Barry C, Broughton A, Bessette M, Honda T. Non-native English-speaking applicants and the likelihood of physician assistant program matriculation. Med Educ Online. 2024;29:2312713.

背景:効果的なコミュニケーションは患者ケアにおいて非常に重要である。Physician Assistants (PAs)を含む多言語対応可能な医療従事者は、英語力に乏しい患者のヘルスケア向上に貢献することができるが、そのためには多言語対応可能な医療従事者の入学が必須である。本研究では、入学希望者が自己申告した第二言語としての英語(ESL)のステータスと、PAプログラムへの入学の可能性との関連を調査した。

方法:参加者は、2012年から2020年までの5回のPhysician Assistant集中出願サービスの入学志願者である。ロジスティック回帰を用いて、二変量回帰モデルおよび多変量回帰モデルの両方において、志願者のESLステータスとプログラム入学のオッズとの関連を調査した。モデルは、市民権の有無、卒前の成績平均点、性別、年齢、人種/民族、出願したプログラム数、および患者診療時間で調整した。

結果:未調整モデルおよび調整モデルでは、ESLステータスはすべての調査年においてPAプログラムへの入学オッズの有意な低下と関連していた。調整後の多変量モデルでは、人口統計学、市民権の有無、患者ケア経験、学業成績をコントロールした場合、ESLの有無が入学のオッズを35%低下させた(オッズ比0.65, 95%信頼区間0.56, 0.76)2014-2015年の関連が最も強かった。(a) TOEFLスコアが100点以上の者に限定した感度分析、(b) TOEFLスコアのないESL志願者に限定した感度分析では、結果に重要な変化は観察されなかった。

結論:英語を母国語としない志願者は、PAプログラムへの入学オッズが低いことが示された。入学オッズの低下は非常に大きく、交絡因子の調整による影響は最小であり、数年にわたり持続的であった。これらの所見は、PAプログラムの入学プロセスが、英語を母国語としない志願者に不利に働く可能性を示唆している。観察された結果を説明できる可能性はあるが、懸念材料である。恵まれない人々と言語が一致するPAを入学させ訓練することは、患者の転帰を改善する重要な手段である。