医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

An assessment of physician assistant student diversity in the United States: a snapshot for the healthcare workforce (BMC Med Educ 2022)

Bradley-Guidry C, Burwell N, Dorough R, Bester V, Kayingo G, Suzuki S. An assessment of physician assistant student diversity in the United States: a snapshot for the healthcare workforce. BMC Med Educ. 2022;22:680.

背景:医師助手(Physician Assistant:PA)の労働力は、主に学生のenrollmentの多様性の欠如により、国の人口統計を反映するほどではない。全国レベルでPAプログラムの多様性を体系的に調査した研究はほとんどなく、多様な学生グループを一貫して卒業させるためのベストプラクティスはほとんど知られていない。我々は、PAプログラムがどの程度多様な学生グループを卒業させているのかを記述的に特徴付け、業績の高いPAプログラムを特定した。

方法:IPEDS(Integrated Postsecondary Education Data System)のデータを用いて、人種や民族の異なる卒業生の数と比率を算出した。調査サンプルは、2014~2018年に最低5つのコホートを卒業した139の公認PAプログラムを対象とした。米国国勢調査の各区分内で、underrepresented minority (URM)人種、ヒスパニック民族、非白人(URM人種、ヒスパニック、アジア)の卒業生の数と割合によって、プログラムをランク付けした。

結果:米国のPAプログラムのなかで、人種・民族の卒業生の数と割合に大きな格差が見られた。34,625人のPA卒業生中、ヒスパニック系民族は2,207人(6.4%)、URM人種は1,220人(3.5%)に過ぎない。さらに、多くの多様な卒業生が、少数の成績優秀なプログラムから生まれていることがわかった。

結論:医療従事者の多様化の必要性を示す証拠は豊富にあるにもかかわらず、PAプログラムは多様な学生を採用し卒業させることが困難であった。本研究は、PAプログラムが、PA労働力の多様性不足を解消するために必要なレベルの多様性を達成できていないことを示す実証的な証拠を提供するものである。本研究の結果に基づいて、上位のPAプログラムは、他のプログラムのベンチマークを確立するためのロールモデルとして使用することができる。この記述的研究の結果は、現在、トップパフォーマーの成功のための戦略を明らかにするための定性的研究の指針として使用されている。