医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Intercultural effectiveness in GPs' communication and clinical assessment: An experimental study (Patient Educ Couns 2024)

Vandecasteele R, Schelfhout S, D'hondt F, De Maesschalck S, Derous E, Willems S. Intercultural effectiveness in GPs' communication and clinical assessment: An experimental study. Patient Educ Couns. 2024;122:108138.

背景:本研究の目的は、患者のethnicityに基づいて、general practitionerの総合的なコミュニケーションと臨床評価における潜在的な格差を調査することであり、同時に異文化間有効性の影響を検討することである。

方法:2×2の実験的研究デザインを採用し、模擬患者とのオンラインビデオ録画によるコンサルテーションを実施し、OSCEsを用いて分析した。各GP(N = 100)は、多数民族患者と少数民族患者の両方とコンサルテーションを行った。さらに、補足データを収集するために追跡調査を実施した。paired sample t-testsにより民族間の格差を調べ、相関分析および回帰分析により、異文化間の態度、特性、能力との関連を明らかにした。

結果:GPsのコミュニケーションや臨床評価において、患者の民族的背景による統計的有意差は認められなかった。異文化間有効性のすべての側面とGPの診察行動との間に正の関連が認められた。異文化間特性は、少数民族患者の臨床的評価の強く強固な予測因子として浮上した。

結論:民族文化的共感 (ethnocultural empathy)などの異文化間特性 (intercultural traits)は、異文化間コンサルテーションにおけるGPの臨床評価スキルにおいて重要な役割を果たす可能性がある。この知見は、医療における異文化間の有効性の決定要因に関する貴重な洞察を提供し、より質の高い、より公平なケアの提供を目指す介入や研修プログラムの有望な目標を育むものである。