医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The educational affordances of external clinician observation of GP trainee consultations (Med Educ 2022)

Sturman N, Fitzmaurice E, Waters E, Sheldrake M, Lee C. The educational affordances of external clinician observation of GP trainee consultations. Med Educ. 2022 May 17. Epub ahead of print.

背景:臨床指導医による研修生の実践の直接観察の重要性については広く認められている。しかし、指導医以外の観察者による観察についてはあまり知られていない。我々は、教育・評価目的でGP研修生の診察を外部から観察することの教育的有用性を、観察者と研修生双方の視点から検討した。

方法:GP研修生の診療を観察する予定のGP医学教育者を参加者オブザーバーとして募集した。彼らは、フィールドノート、リフレクティブメモ、フォーカスグループディスカッションを行い、観察後に研修生とインタビューを行い、セッション中に監督者やオブザーバーから教育的インプットにアクセスした研修生の経験に焦点を当てた。テーマ分析は、構成主義実在論と社会文化理論によって導かれた。

結果:合計23回の観察セッション(131人の患者の診察を観察)、33人の研修生へのインタビュー、23人の観察者のリフレクションが完了した。外部オブザーバーは、研究・評価の役割も担っているが、「壁のハエ (flies on the wall)」ではなく、教育、コーチング、パストラルの機会を受け入れていた。また、外部オブザーバーは、指導を受ける際の課題について有益な知見を得るとともに、自らも指導を行った。研修生とオブザーバーはともに、このセッションが貴重であり、同僚的なものであることを経験した。研修生は、コンサルテーション後のフィードバック会話を高く評価し、コンサルテーションにおける課題、不確実性の管理、臨床実践のバリエーションなどのトピックを取り上げた。患者の期待や既存の人間関係は、外部で観察される診療の特徴的な対人関係のダイナミックさに影響を与えた。

結論:外部観察の教育的効果や対人関係のダイナミクスは、スーパーバイザー観察とは異なる。教育者と臨床家の間を行き来するオブザーバーを臨床研修に広く活用することを推奨する。