医学教育研究者・総合診療医のブログ

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How do validity experts conceptualise argumentation? It's a rhetorical question (Med Educ 2024)

Kinnear B, Martini A, Varpio L, Driessen EW, Schumacher DJ. How do validity experts conceptualise argumentation? It's a rhetorical question. Med Educ. 2024 Jan 18. Epub ahead of print.

背景:保健医療専門職教育(HPE)は、妥当性を議論として概念化することを採用している。しかし、HPEにおいて妥当性の議論がどのように展開され、使用され、評価されるべきかという理論的・実践的側面については、これまで深く検討されてこなかった。妥当性と検証を支える論証理論を明確にすることは、HPEが妥当性を論証としてより適切に運用するのに役立つ。このことをよりよく理解するために、著者らは、HPEの妥当性研究者がアセスメントの妥当性の議論と論証をどのように概念化しているかを調査し、これらの見解が妥当性の検証の実践に及ぼす潜在的な影響を理解することを試みた。

方法:HPE妥当性評価専門家を同定するために、以下の3つの方法を用いて、crical case samplingを行った:(1) 著名な妥当性研究グループへの参加、(2) HPEの妥当性に関する出版物の書誌学的調査、(3) 最近のHPEの妥当性に関する文献の著者。4カ国のHPEアセスメント妥当性の専門家16名を対象に、質的な半構造化インタビューを実施した。著者らは、reflexive thematic analysisを用いて、研究課題に関連するテーマを作成した。

結果:著者らは、参加者の反応に基づき、以下の3つのテーマを抽出した:(1) 理論的には、HPEの妥当性は社会的かつ状況的な議論である。(2) 実際には、聴衆と評価の不在が、HPEの妥当性の社会的性質を阻害している。(3) 妥当性論証の欠如は、HPE内に権力格差を生み出し、維持している。参加者は、現在のHPEの妥当性検証の実践はポスト実証主義的認識論に根ざしたものであり、状況依存的(すなわち文脈依存的)、聴衆中心的、包括的であるべきであることを明らかにした。

結論:妥当性の論証を理論的に論じるとき、参加者の説明は、現実の妥当性の実践とずれた評価のための解釈主義的なレンズを反映している。このズレは、論証理論の理論的・実践的原則を統合することなく、HPEが「論証としての妥当性」をスローガンとして採用したことに起因していると思われる。