医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A meta-study analysing the discourses of discourse analysis in health professions education (Med Educ 2024)

MacLeod A, Ellaway RH, Cleland J. A meta-study analysing the discourses of discourse analysis in health professions education. Med Educ. 2024 Jan 11. Epub ahead of print.

背景:談話分析は、医療専門職教育(HPE)において研究を行うためのアプローチとして長年用いられてきた。しかし、「正しい」解釈やアプローチは存在しないため、談話分析とは何か、どのように用いるべきか、どのように評価すべきかは不明確である。この曖昧さは、方法論やそこから得られる知見の信頼性や一貫性を損なう危険性がある。

方法:HPEにおける談話分析の現状を調査し、この方法論を使用する研究者を導き、方法論、分析、報告の厳密性を向上させるために、メタ研究レビューを実施した。構造化された検索が行われ、返された論文にフィルターがかけられ、124の論文が批判的に分析された。

結果:収録された124編の論文のうち、64編が医学教育、51編が看護学、9編が多分野または他のHPE分野のものであった。何らかのデータを報告している119本の論文のうち、50本が文書や文章を唯一のデータ源としており、27本はインタビューデータのみに基づいていた。フーコーは最もよく引用される理論家であり(n = 47)、特に医学教育の論文で引用された。論文の質にはばらつきがあり、談話とは何を意味するのかが明確に示されていないものが多く、定義と方法論の選択がしばしばずれていたり、データ収集と分析に関する詳細が不足していたり、立場性に関する記述や批評が未整備であったり、存在しなかったりした。

結論:このような多くの欠点に対処するため、著者らは、HPEにおける談話分析から得られた知見の信頼性を読者が評価できるよう、厳密な談話分析研究とその透明で完全かつ正確な報告を促進するための枠組みを提示する。研究者は談話分析の応用と実践についてより深く考察することを奨励され、最終的な目的は、我々の分野における意味の理解と構築のために談話分析を用いる際に、より広さと深さを確保することである。