医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A method for the madness: An international survey of health professions education authors' journal choice (Perspect Med Educ 2022)

Rees EL, Burton O, Asif A, Eva KW. A method for the madness: An international survey of health professions education authors' journal choice. Perspect Med Educ. 2022 Feb 22. Epub ahead of print.

背景:医療専門職教育(HPE)において、スカラーシップは重要な活動である。学術的な研究を発信する際、投稿するジャーナルをどのように選択するかが、その後の成功の鍵を握っているとしばしば論じられる。この点について、よりエビデンスに基づいた推奨事項を導き出すため、我々は、HPEで活躍する学者を対象に、ジャーナル選択に関する見解や経験について調査を行った。

方法:HPE研究者を対象に、ジャーナル選択に関する意思決定について国際的な調査を行った。2019年と2020年に出版された4000本の論文のなかから、責任著者を特定した。彼らは電子メールで招待され、最大4回のリマインダーが送られた。彼らの経験を説明し、主成分分析および回帰分析を用いて、成功したアクセプトに関連する要因を特定する。

結果:合計で863件の回答があり(回答率24.7%)、そのうち691件が分析に含まれた。回答者の3分の2は、最初に選んだ雑誌で原稿が受理され、98%のケースでrevisionが必要であった。我々は、ジャーナルを選択する際に優先すべき6つの要因を特定した。重要性の高い順に、適合性、影響力、編集者の評判、普及のスピード、普及の幅、他者からの指導である。適合性を重視し、ジャーナルを早く選択した著者ほど、最初に選択したジャーナルで原稿が受理される可能性が高いことがわかった。

結論:今回の知見をふまえて、論文を執筆するときの3つの推奨は以下である。すなわち、1. revisionの決定を受けても落ちこまない、2. 研究プロセスの早い段階でジャーナル選択を検討する、3. ジャーナル選択の主な要因として原稿とジャーナルの適合性を利用する。